はじめに
エレキギターの塗装でほとんどの量産モデルはポリ塗装されています。傷つきにくくピカピカで良いんだけど、少しやすっぽくて、高級ギターに多いラッカー塗装にあこがれますよね。しかし、ポリ塗装がだめでラッカー塗装が良いんでしょうか。実際にそれぞれの塗装にはどんな機能があるかを考えながら、必要とされる最適な塗装について考えたいと思います。
塗装の目的
・湿気、乾燥やよごれなどなどから木地を守り劣化を防ぐ。
・見た目を良くする。
塗装による音への影響
塗装をすることで心配になるのが音への影響でしょう。
では、ボディーはどのような役割をするのかを考えれば最適な塗装が導けるはずです。
ギターに弦を張るとまさに弓の構造と同じで。ネックは弦に張力を与ます。
弦は得られた張力とピッキングによって振動し音を出します。
弓をイメージすると、弦に張力を与える役割がネックにある事が容易に想像できるでしょう。
ボディーはネックの様にしなやかではなく大きく振動しませんので音を作り出すのではなく響かせる事と、ネックと弦を固定する役割がメインでしょう。
エレキギターはアコースティックギターのようにそれ自体で音を出す必要はありません。音を拾うのはピックアップでありそれを鳴らすのはアンプの役割です。響かせるための空隙も大きなボディーも必要ありません。
更に、ピックアップはその構造のために弦の振動のみしか拾うことが出来ず、ボディーの響きを直接拾うことは出来ないのです。
弦の振動がボディーを響かせて、その響きが弦を振動させます。それをピックアップが再び拾うのです。
この様に、ボディーは音に対して主役にはなれません。
あまり音に影響が少ないのであれば塗装に求めるのは見た目と耐久性でしょう。
どんな塗装方法が考えられるのか
木材の特徴を最大限に引き出す塗装、又は塗膜をも共鳴させるために利用する方法も考えられます。
どんな音がいい?
①「軽い木材に厚めのポリ塗装!」
軽めの木材をコアにし回りに厚めのポリウレタンでコーティングする事によって、空洞による共鳴に近い効果が得られます。それなりの響きは期待できそうです。塗膜は丈夫でひび割れや、色褪せなどもしにくい特徴があります。
②「極薄のラッカー塗装!」ビンテージタイプのギターでしょうか。
ニトロセルロースラッカー塗装による薄い塗膜や木材の呼吸を妨げない特性により、素材を最大限生かすことが出来ます。エイジング効果や、木材本来の響きを引き出せそうです。
この様な事からそれぞれの塗装には特徴があり、自分が目的とする、用途や、使い方によって、選べばよいのではないでしょうか。
また、塗装の種類や木材との組み合わせによっても響きが変わります。実際ギターが完成し弦を張るまでどんな音になるかを知ることは難しいでしょう。音を想像しながら、ペイントするのも楽しみの一つですね。
まとめ
エレキギターでボディーの音に対する影響は大きくはありません。塗装の機能としては見た目と耐久性が重要でしょう。しかし、少しでも良い音が出るのであれば、試してみる価値はあるのではないでしょうか。
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