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Gibson les paul customのリフィニッシュを行います。
デザインはZakk Wylde Bullseye
ビンテージ感あふれる仕上がりにしたいと思います。
Bullseyeのデザインかつダメージ具合やウエザーチェック具合を下記の画像を参考にします。
Bullseyeの特徴的なデザインである的の描画についてより正確に再現するために、画像より的の寸法を推測することから始めました。
最初に立てた仮設は、第一に、的の中心はリアピックアップの中心であること。第二に、的の太さは1インチの太さで同心円であることでした。
しかしながら、実物大に図を描いてみると二つの事が解りました。一つは、同心円のそれぞれの太さは1インチよりも太いこと。次に、センターの黒(ピックアップの下なので描画されません)と、その次の白のサークル、さらに次の黒のサークルの太さはそれぞれ中心に向かって太く描かれている事が解りました。
以上の点や、画像のゆがみなどを考慮すると共に、描画をされた方の作画方法などを考えた上でデザインを決めました。
さらに、ビンテージ加工をリアルに再現するためのアイデアを、レリック加工の先駆者であるFender custome shop の手法から取り入れることで、Gibbonでは珍しいリアルなビンテージ感を表現することができました。
実際に再現したデザインの比較
process
分解し現状を把握
塗装をはがします。
サンディングシーラーを塗布→乾燥→研磨を3回繰り返します。
レリック加工で、木部が見える部分に予めマスキングを貼り、ホワイトを塗装します。
デザインを描画し、曲線用のマスキングテープで縁取りをしてからマスキングを行い、黒を塗布します。
次に、予めクリア塗装が剥がれる部分にマスキングテープを貼り、クリアを塗布します。
乾燥、研磨後、マスキングを取り除き、レリック加工を丁寧に仕上げます。
レリック加工は、木部の劣化の表現とその部分の汚し加工、細かな打痕や傷、ウエザーチェックなど、ビンテージギターが持つ特徴を反映させます。
キズや汚れの加工は、簡単に見えますが、それらの表現は難しく、少しでも表現を間違えば大きな違和感が生れます。
技術的な面では、クリアの黄ばみ、クリアのはがれ、ホワイトのはがれ、下地塗装のはがれ、木部の劣化、をそれぞれ再現しています。
金属パーツやプラスチックパーツ、ネジの一本に至るまで、ビンテージ加工を施します。
パーツの加工内容は次のようなものがあります。
金属パーツの使用感及びさび加工
特に、3Wayスイッチの裏ブタの使用感は必見です。
プラスチックパーツの使用感及び黄ばみ加工
今回はトラスロットカバーの黄ばみ加工はもちろん、クリアノブの黄ばみに拘りました。
これらのパーツの加工がある場合とない場合で全体の質感に大きな差が生れます。
加工を終えたパーツをくみ上げる際に、命が吹き込まれたかの様な感覚が生れ、積み上げた工程が報われる瞬間となります。
各パーツを組み立て、調整を行います。
調整内容は仕込角調整、ハードウエアマウント、電装、トラスロッド、弦高、オクターブ、グリスアップなど。
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